平成29年度広島市立大学先端学術研究
「日本画制作の現場Ⅲ」ー國司華子・室井佳世展ー
2017年10月27日(金)〜11月12日(日)10:00〜17:00
            

広島市立大学芸術資料館5階展示室
 
 この度、広島市立大学芸術資料館において芸術学部日本画研究室主催『日本画制作の現場Ⅲ—國司華子・室井佳世展—』を開催します。
 研究企画展「日本画制作の現場Ⅲ」の第3回目となる本展では、現在国内画壇の第一線で活動する日本画家、國司華子氏、室井佳世氏に焦点を当て、両作家の日本画作品14点およびそれぞれの制作過程で生み出されたスケッチやエスキース、下図などを一堂に公開します。


 
 國司華子氏は現在、多摩美術大学客員教授、日本美術院所属の日本
画家。人物や動植物をテーマに、時に強くしなやかで、時に無垢で移
り気なそれらの印象を、柔らかな感性と自由な筆致で描き、音楽にも
似たその作品世界からは作家の創作に対する喜びが感じられます。
        

           國司華子《シリトリと三角とぐるぐる。》2016年

 
  
 室井佳世氏は創画会に所属の日本画家。ドローイングのように軽やか
で自由な線と鮮やかで繊細な色彩は、大らかで優しく観る人に心地よく
響きます。人物の佇まいや草花に流れる時間や移ろいが、衒いのない筆
致に込められ、叙情性を湛えた独自の作品世界を形作っています。


                    
                  室井佳世《カソケキ ハル 二》2017年


 
 現代を生きる作家が「日本画」という古来の材料技法を素地としておこなう制作の中で何を思考し、
どのような造形表現を模索するのか、今回は特色の異なる両名の日本画制作をモデルケースとして取り
上げ、絵画における創作という営為について考えます。本展の会期中には作家ご本人をゲストにお招きし、作品解説と共にそれぞれの日本画制作についてのお話を伺う座談会を開催します。

平成29年度特定研究/先端学術研究  日本画制作の現場Ⅲ



いちだい知のトライアスロン 講座&芸術鑑賞 付帯イベント
日本画制作の現場Ⅲ ー國司華子・室井佳世展ー 
座談会:「創作」について、日本画の制作過程及び作家の言葉からの考察
               2017年11月10日(金)18:00〜19:30
        広島市立大学 講堂小ホール
 
  本展覧会に出品している作品の解説、併せて、各々の日本画制作において日常的にどのように考え、
 また若い頃はどのように考えていたかなどについて、本学日本画専攻教員と公開対談をして頂きます。
 座談会は一般の方も聴講できます。(事前予約不要、入場料無料)


  パネリスト:
    國司華子(日本画家、日本美術院同人)
    室井佳世(日本画家、創画会準会員)
    藁谷実 (日本画家、広島市立大学芸術学部教授)
    今村雅弘(日本画家、広島市立大学芸術学部准教授)
    前田力 (日本画家、広島市立大学芸術学部准教授)
    荒木亨子(日本画家、広島市立大学芸術学部准教授)


                   はじめに


 広島市立大学日本画専攻では開学以来、基礎実技の充実を図り、各自の個性に応じた多様な表現に展開できるよう努めて教育を行っております。その方針に沿う研究の一端として、これまでに行った本学指定研究「日本画制作の現場Ⅰ・Ⅱ」の実績をもとに平成27年度より「日本画制作の現場Ⅲ」への取り組みを始めました。Ⅰ期を平成14年度〜17年度、Ⅱ期を平成18年度〜19年度に実施し、全期を通じて招聘した作家は八木幾朗氏、片桐聖子氏、河嶋淳司氏、斉藤典彦氏、海老洋氏、宮いつき氏、村岡貴美男氏、荒木亨子氏、宮島弘道氏、山本浩之氏の10名に及びます。彼らの多様で創造的な日本画への取り組みに触れた学生たちは敏感に反応し、視野を広げ、期待する成果をあげています。

 この度の平成29年度先端学術研究『日本画制作の現場Ⅲ―「創作」について、日本画の制作過程及び作家の言葉からの考察―』では、國司華子氏と室井佳世氏を招聘し、作品展示及び座談会を開催する運びとなりました。お二人は、日本美術院と創画会という異なる公募団体に所属し、共通して優れた感性と確実な造形力を持ち合わせ、魅力ある作品を作り続けています。今回も、昨年同様に通常は表に出ることのない構想段階のメモやエスキースを本が作品と合わせて展示いたします。また、座談会では、作家自身の言葉から人が物を生み出す行為、創作とはどのようなものなのか、その動機や過程、様々な試行など完成作品からは読み取りにくい内的な部分までを提示することを目的としています。

 本研究が、これからの日本画という文化の継承と発展の一助となることを願ってやみません。
 最後になりましたが、本研究の趣旨にご賛同いただき、実施にあたりご協力いただきました関係者の皆様には心よりお礼申し上げます。

                                  
                                  芸術資料館長 
                                  日本画専攻長 藁谷 実

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